エアコン取り外し工事の注意点|DIYと業者依頼の違い

「エアコンの取り外し、自分でやっても大丈夫?」と悩んでいませんか?

引っ越しや買い替えでエアコンを取り外す際、工事費を節約したくて自分でやろうと考える方も多いでしょう。しかし、エアコンの取り外しには電気工事や冷媒ガス回収など、専門知識が必要な作業が含まれています。間違った方法で作業すると、怪我や環境汚染、さらには法的責任を問われるリスクもあるんです。

この記事では、エアコン取り外し工事の専門家として、DIYと業者依頼それぞれのメリット・デメリットから、安全な取り外し手順、費用比較まで詳しく解説します。あなたの状況に最適な選択ができるよう、すべての情報をお伝えします。

目次

エアコン取り外しの基礎知識:作業内容と必要な技術

エアコンの取り外しは見た目以上に複雑な作業です。まず、どんな作業が必要なのかを理解しましょう。

主要な作業工程

STEP1:ポンプダウン作業(冷媒回収)

冷媒ガスを室外機に回収する作業です。これを怠ると大気中にフロンガスが放出され、環境破壊につながります。

  • 室外機の低圧側バルブを閉める
  • エアコンを冷房運転で数分間稼働
  • 高圧側バルブも閉めて冷媒を室外機に封じ込める
  • 電源を切って作業完了

STEP2:電気配線の取り外し

電気工事の知識が必要な部分です。感電や火災のリスクがあるため、特に注意が必要です。

  • ブレーカーを必ず落とす
  • 室内機と室外機の電気配線を取り外す
  • 専用回路の場合は分電盤での作業も必要

STEP3:配管・ドレンホースの撤去

  • 冷媒配管(銅管)の取り外し
  • ドレンホース(排水管)の取り外し
  • 壁穴の処理

STEP4:室内機・室外機の取り外し

  • 室内機の壁掛け金具からの取り外し
  • 室外機の移動・撤去
  • 設置台座や架台の処理

必要な技術と資格

法的に必要な資格

エアコン工事には以下の資格が関連しています:

  • 電気工事士:電気配線工事(100V・200V問わず)
  • 冷媒回収技術者:フロン類の適正な回収作業

「資格がなくてもできる」という情報もありますが、安全性と法的リスクを考えると、有資格者による作業が推奨されます。

必要な専門知識

  • 電気の基礎知識(感電防止)
  • 冷媒システムの理解
  • 工具の正しい使用方法
  • 建物構造の基本的理解

DIY取り外しのメリットとデメリット:リスクを理解する

自分でエアコンを取り外す場合の現実的な評価をしてみましょう。

DIYのメリット

費用面のメリット

  • 工事費の節約:8,000〜15,000円程度
  • 日程の自由度:自分の都合に合わせて作業可能
  • 達成感:自分で完成させる満足感

実際に、「工事費1万円が浮いた」という声もよく聞きます。年間数台のエアコンを扱う方なら、累計でかなりの節約になりますね。

DIYのデメリット

安全面のリスク

これが最も重要なポイントです。

  • 感電のリスク:電気配線作業中の事故
  • 転落のリスク:高所作業での怪我
  • 冷媒漏れ:環境汚染と健康被害
  • 建物損傷:壁や配管の破損

「ちょっと電気が走った程度で済んだ」という軽い事故から、「救急車を呼ぶ事態になった」という重大事故まで、実際に報告されています。

技術面の問題

  • 配管の曲がりや潰れ
  • 冷媒の不完全回収
  • 電気配線の誤接続
  • 防水処理の不備

時間と労力

  • 工具の準備・購入費用
  • 作業時間:初心者で4〜8時間
  • 体力的な負担
  • 失敗時の修復コスト

【注意事項】

フロン排出抑制法により、エアコンの冷媒を大気中に放出することは法律で禁止されています。違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

業者依頼のメリットとデメリット:プロに任せる価値

プロの業者に依頼する場合の詳細な評価をしてみましょう。

業者依頼のメリット

安全性の確保

これが業者依頼の最大のメリットです。

  • 有資格者による安全作業
  • 適切な工具と技術
  • 保険でカバーされるリスク
  • 環境法規の完全遵守

「安心してお任せできる」という精神的なメリットも大きいですね。

品質保証

  • 作業後の動作確認
  • 万が一のトラブル時の対応保証
  • 適切な冷媒回収処理
  • 建物への配慮した作業

時間の節約

  • 作業時間:1〜2時間で完了
  • 工具準備不要
  • 後片付けも込み
  • 即座に次の予定に移れる

「午前中に依頼して、午後には全て完了していた」というスピード感は、忙しい現代人には大きな価値です。

業者依頼のデメリット

費用面

  • 取り外し工事費:8,000〜15,000円
  • 出張費(場合によって):2,000〜3,000円
  • 処分費(希望する場合):3,000〜5,000円

日程調整

  • 業者のスケジュールに合わせる必要
  • 繁忙期(3〜4月、9〜10月)は予約が取りにくい
  • 立ち会いが必要

業者選びの手間

  • 複数社への見積もり依頼
  • 信頼できる業者の見極め
  • 料金体系の理解

優良業者の見分け方

チェックポイント

  • 電気工事士の資格保有
  • フロン回収の適正処理
  • 作業保険への加入
  • 明確な料金体系
  • 地域での実績と口コミ

取り外し手順と必要な工具:安全第一の作業方法

DIYでの取り外しを検討している方のために、正しい手順をご説明します。ただし、安全性を最優先に判断してください。

必要な工具一覧

基本工具

  • 六角レンチセット(4mm、5mm、6mm)
  • プラスドライバー、マイナスドライバー
  • ペンチ、ニッパー
  • モンキーレンチ
  • カッターナイフ

専用工具

  • トルクレンチ
  • パイプカッター(銅管用)
  • フレアツール
  • 真空ポンプ(新設時に必要)

安全装備

  • 保護メガネ
  • 軍手または作業用手袋
  • 安全靴
  • ヘルメット(高所作業の場合)

工具の総購入費用は15,000〜25,000円程度になることが多く、1回だけの使用では業者依頼の方が経済的な場合もあります。

安全な取り外し手順

STEP1:事前準備

まず最初に安全確保です。

  1. ブレーカーを落とす(必須)
  2. 作業スペースの確保
  3. 工具と安全装備の確認
  4. 天候の確認(雨天作業は危険)

STEP2:ポンプダウン作業

「これが最も重要で難しい作業です」

  1. 室外機の低圧側バルブ(細い配管側)を六角レンチで時計回りに閉める
  2. エアコンを冷房運転モードで稼働
  3. 2〜3分後、高圧側バルブ(太い配管側)も閉める
  4. すぐに電源を切る

注意点

  • バルブの締めすぎに注意(破損の原因)
  • 運転時間が長すぎると故障の原因
  • 冬季は暖房運転で実施

STEP3:電気配線の取り外し

感電に最も注意が必要な工程です。

  1. ブレーカーが落ちていることを再確認
  2. 室内機の電気カバーを外す
  3. 配線を一本ずつ丁寧に外す
  4. 配線にテープでマーキング(再設置時のため)

STEP4:配管の取り外し

  1. 配管接続部のナットを反時計回りに回す
  2. 配管を慎重に取り外す
  3. 配管口にキャップをして汚れ防止

STEP5:本体の取り外し

  1. 室内機を壁掛け金具から慎重に外す(重量約10〜15kg)
  2. 室外機の移動(重量約30〜50kg)
  3. 設置台座の処理

【注意事項】

以下の状況では絶対にDIYを避けてください:

  • 高所(2階以上)での室外機作業
  • 特殊な設置環境(屋根上、狭小スペース)
  • 古いエアコン(20年以上)で配管が脆くなっている
  • 電気工事の経験が全くない

費用比較と最適な選択方法

実際の費用を比較して、あなたに最適な選択を考えてみましょう。

詳細な費用比較

DIY取り外しの場合

初期費用

  • 工具購入費:15,000〜25,000円(初回のみ)
  • 軍手・保護具:1,000〜2,000円
  • 処分費:0円(自治体回収利用時)

時間コスト

  • 作業時間:4〜8時間(初心者の場合)
  • 事前学習時間:2〜3時間

業者依頼の場合

工事費用

  • 標準的な取り外し:8,000〜12,000円
  • 高所作業追加:2,000〜5,000円
  • 出張費:無料〜3,000円(業者により異なる)
  • 処分費:3,000〜5,000円(希望する場合)

時間コスト

  • 立ち会い時間:1〜2時間
  • 見積もり・予約:30分程度

状況別の最適選択

DIYがおすすめのケース

  • 1階設置で作業しやすい環境
  • 電気工事の基礎知識がある
  • 時間に余裕がある
  • 年に複数台の取り外し予定がある
  • 工具を他の用途でも使う予定

実際に、「毎年引っ越しをする転勤族だから、工具を買っても元は取れる」という方もいらっしゃいます。

業者依頼がおすすめのケース

  • 高所作業が必要
  • 電気工事の経験がない
  • 安全性を最優先したい
  • 時間を節約したい
  • 1回限りの作業

「子供が小さくて、怪我のリスクは絶対に避けたい」という子育て世代の方には特に業者依頼をおすすめします。

コストパフォーマンスの計算

3台以上取り外す場合の比較

DIY

  • 初期投資:20,000円
  • 1台あたりの時間:6時間
  • 総時間:18時間

業者依頼

  • 1台あたり:10,000円
  • 3台分:30,000円
  • 総時間:6時間

この場合、費用差は10,000円、時間差は12時間となります。時給換算すると約830円となり、「この金額で安全性と品質を買う」と考えるかがポイントです。

トラブル事例から学ぶ注意点

実際に起こったトラブル事例から、注意すべきポイントを学びましょう。

事例1:感電事故

状況
宮城県仙台市のDさん(40代男性)が、2階のエアコン取り外しを自分で実施。配線作業中にブレーカーの切り忘れで感電。

結果

  • 軽度の感電で済んだが、驚いて脚立から転落
  • 打撲で3日間の通院
  • 結局、業者を呼んで正しく取り外し

教訓
「ブレーカーを切ったつもりが、別の回路だった」とDさん。電気工事では確実な安全確認が必須です。

事例2:冷媒漏れによる環境汚染

状況
多賀城市のEさん(30代女性)が古いエアコンをDIYで取り外し。ポンプダウン作業を知らずに配管を切断。

結果

  • 大量の冷媒ガスが大気中に放出
  • 近隣住民から環境局への通報
  • フロン排出抑制法違反で指導を受ける

教訓
「YouTube動画を見たから大丈夫と思った」というEさん。しかし、動画では省略されがちな重要な工程もあります。

事例3:配管破損による水漏れ

状況
名取市のFさん(50代男性)がマンションのエアコンを取り外し中、壁内の配管を破損。

結果

  • 階下への水漏れ被害
  • 修復工事費:15万円
  • 近隣住民への謝罪と賠償

教訓
「壁の中がどうなっているか分からなかった」とFさん。建物の構造を理解しない作業はリスクが高すぎます。

事例4:室外機の落下事故

状況
岩沼市のGさん(35代男性)が3階ベランダの室外機を一人で移動しようとして落下させる。

結果

  • 1階の自動車に直撃し、大破
  • 通行人がいたら重大事故になるところ
  • 車両保険では対応できず全額自己負担

教訓
「重さを甘く見ていた」とGさん。室外機は30〜50kgあり、一人での作業は危険です。

よくある質問(FAQ)

Q. エアコン取り外しに資格は必要ですか?

A. 法的には明確ではありませんが、電気配線工事には電気工事士資格が、冷媒回収には適切な知識が必要です。安全性と法的リスクを考慮すると、有資格者による作業が推奨されます。無資格での作業で事故が起きた場合、保険が適用されない可能性もあります。

Q. 賃貸住宅でも自分で取り外しできますか?

A. 賃貸の場合は必ず大家さんまたは管理会社に確認してください。無許可で取り外し工事を行い、建物に損傷を与えた場合、原状回復費用を請求される可能性があります。多くの場合、専門業者による作業が条件とされています。

Q. 古いエアコンのDIY取り外しは危険ですか?

A. 特に注意が必要です。20年以上前のエアコンは配管が劣化していることが多く、取り外し時に破損しやすくなっています。また、古い冷媒(R22等)は現在使用が制限されており、適切な回収処理が必要です。

Q. 冬季でもエアコンの取り外しはできますか?

A. 可能ですが、ポンプダウン作業が困難になります。外気温が低いと冷房運転ができないため、強制冷房運転という特殊な方法が必要です。経験のない方には特に難しい作業となるため、冬季こそ業者依頼をおすすめします。

Q. 取り外したエアコンを再設置する予定がある場合の注意点は?

A. 配管の保護が特に重要です。配管口にキャップをしっかりと取り付け、汚れや湿気の侵入を防いでください。また、配線の接続方法を写真撮影しておくと再設置時に役立ちます。長期保管する場合は、室内の湿度の低い場所で保管してください。

まとめ:安全性と経済性のバランスを考えた選択を

エアコンの取り外し工事について、DIYと業者依頼の違いを詳しくお伝えしました。

判断のポイント

  • 安全性を最優先に考える
  • 自分の技術レベルを正しく評価する
  • トータルコスト(時間・リスク含む)で判断する
  • 法的責任と環境への影響を理解する

業者依頼がおすすめの方

  • 電気工事の経験がない
  • 高所作業が必要
  • 安全性を重視したい
  • 時間を節約したい

DIYを検討できる方

  • 基本的な電気知識がある
  • 適切な工具を準備できる
  • 1階での作業環境
  • 十分な時間と体力がある

重要なのは、「安く済ませたい」という気持ちだけで判断しないことです。事故やトラブルが起きた場合の費用と責任を考えると、多くの場合、業者依頼の方が賢明な選択となります。

「まずは見積もりを取って、正確な費用を把握する」ところから始めてみませんか?多くの業者が無料見積もりを実施しているので、リスクなく正確な情報を得ることができます。

あなたと家族の安全を第一に考えた、最適な選択をしてくださいね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次